『ひまわり』 著者 : 新川帆立
ある日事故に遭い、頸髄を損傷してしまったひまり。リハビリを続けるも復職の夢は潰え、一念発起して弁護士を目指す。
お話自体はフィクションだが、モデルとなった車椅子弁護士さんがいる。
鉛筆も握れず、六法全書も開けない。
日本で初めて音声認識ソフトを使用して司法試験を突破し、弁護士として活躍している。
私は沢山本を読んでいるが、自分と似た境遇の本は何となく…避けてきた。
でも、あくまでフィクションとして、読んでみようと思った。
読み初めてまだ50ページくらいのところで…、手が震え、涙が出てきた。
事故に遭い、意識が戻り、自分の状況を把握していく様…
その心情…
家族や周囲の人の様子、心情…
何もかもが
当時の”私”だった
私は頸髄は損傷しなかった、だから
今では歩いている。
でも受傷から何ヵ月かは足はもちろん、手もまともに動かなかった。
それこそ、何ヵ月かは病室の天井だけを眺める日々を送っていた。
絶望と言う言葉が合っているのかもわからない
本文の中にも書いてあったが、人間は動けなければ自分で死ぬことすらできない。
沢山の文章が、まるで当時の私の心情を代弁してくれているようで、何度か読む手を止めては涙をこらえた。
だからと言って、読んでいて辛いわけではなかった
当時の自分を客観的に見てるような気がした
諦めないとか、頑張るとか…、そういうことでは無い
やるしかない
私は何度か自分に言ってきた
やるしかない
できなくなったことを追い求めても仕方がない
できる可能性を最大限に、やるしかない
障碍者を想うのでは無く、知ってほしい
知ってほしいだけなんだ