座る

闘病記

ICU には2週間くらい居て、痛みとの闘いだったのだけど、そんな中でもリハビリの先生は毎日のように来てくれていた。理学療法士(PT)の先生と作業療法士(OT)の先生。(ここからはPT 、OT と書かせて頂きます)

最初に「リハビリです!」と来られた時は

へ??、この状態でリハビリ?、うそでしょ!?、いやいや…ムリムリ…。

あとで聞いたことだけど、昔はある程度良くなってからリハビリをしていたそうだが、今(現代)は早ければ早いほどリハビリの効果が出るので、管や機械が付いていてもリハビリをするのだそうだ。

ということで、私担当のPT 先生とOT先生は 毎日のように来て、全く動けない私の身体にストレッチをしてくれていた。

そんな中で1番覚えているのは、初めて車椅子に乗った時のこと。

身体が全く動かない私は、寝返りも看護師さんにやってもらわないといけない状態だった。私がベッドから落ちるといけないので、リクライニング機能も看護師さんに操作してもらわないといけなかった。そんな状態なので、傷にプラスして腰が痛くてたまらなかった。

座りたい…。座りたくて仕方がなかった。

「いいよ!車椅子に乗ろうか!」と言ってくれたPT先生。そこへちょうど(?)来てくれたOT 先生と一緒に私を車椅子に乗せてくれた。

と言っても、簡単では無かった。看護師さんを集めて、確か総勢5人くらいで掛け声を掛け合って私を乗せた。

しかも、一般的によくある車椅子では無かった。私が座ったのは、何やら見たことの無いすごい装備の車椅子だった。

座る…。座るって…。座るって…。

座ることがこんなに幸せなことだったなんて…。腰の痛みが消えるようだった。

視界も変わった。初めて自分の身の回りの環境を見た。

ああ…うそでしょ…。座れることがこんなに大事なことだったなんて…。

その後座っているのは、1時間が限界だった。