「精神力がすごい」とよく言われる。
事故の大きさと、実際の今の私の姿を見て、そう言われることが多くなった。
事故後に会った友人にも、色々ビックリされる。
もちろん、無理をしているわけでは無いし、平静を装っているわけでは無い。
1人になると、涙が出てくることは今だってある。
でも、ただ、1つ言えるのは。
『私で良かった』
「息子たちで無くて良かった」、「大切な人で無くて良かった」。
『私で良かった』
息子たちだったら、彼らがこんな身体になっていたら…。私は、その方が気がおかしくなっていた。
彼らに、こんな不自由が襲ったら…、想像しただけで…息が止まりそうになる。
のたうち回るほどの痛み、まったく動かない足。襲った先が、彼らで無くて良かった…。
面会ができない状況で、彼らが苦痛に歪んでいるのを…家でじっと待っているなんて、私にはとても耐えられない。
そばにいられない、なんて、とても耐えられない。
きっと、代わってあげたいと強く願ったと思う。
だから、彼らで無くて良かった。
嘘では無い、これが私の唯一の救いで、ここまでの原動力。
そして、これが、精神力の1つだと言える。
長男が言った。
「母さんでも、いかんけどな…」