トニートニー・チョッパー

闘病記

入院患者全員共通の悩みごと、それは便秘。

寝てばかりになり、水分も少なくなり、運動なんてリハビリ以外もちろんしないから、入院患者はかなりの確率で便秘になる。私ももちろん便秘に苦しんだ。病院から処方されている便秘薬は全然効かなかった。

私は何十年も愛用している市販薬があるため、主治医から許可を貰って、次男に電話をして家から届けて貰うことにした。

電話の向こうで次男は、私所定の位置から薬を探しだし、持って来てくれることを快く了解してくれた。数時間後、届いたのは私愛用の薬と…

『トニートニー・チョッパーのぬいぐるみ』

「?」。頼んだ覚えの無いものが一緒に届いた。ぬいぐるみはもちろん私のチョッパーだった。

私はワンピースをほとんど観たことも読んだことも無いのだけれど、チョッパーだけはかわいくて好きで、何体かぬいぐるみを家に飾っている。

だから、次男が、家の雰囲気を少しでも出せるように…と、薬と一緒に届けてくれたのだった。何体かあるチョッパーの中で、笑ってるチョッパーを選んだのだと…。

そうか…そうか…、なるほど…そうか…。

便利グッズも大事だが…、そうだよね、こういうの、大事だね。

大事だよ…。

それから、ずっと、チョッパーは一緒だった。

PT 先生の計らいでリハビリにも連れて歩いた。自主トレのリハビリの時にも連れて歩いた。医療従事者さんたちも、私の名前がわからなくてもチョッパーで覚えてくれる人もいた。

その後何回かあった再入院にも連れていった。

今は…、役目を終えたように家の中で笑っています。

追記: ご存知かと思いますが、チョッパーは医者です…。