扇風機

闘病記

個室にいる間、色々な差し入れが届いた。

携帯を手に持って通話ができないので、マイク付きのイヤホン。(落とすと拾えないので有線のもの)

携帯をベッドに固定するための固定具。(これらが届くまでは、携帯をおでこに乗せてスピーカーで通話していた(ホントの話です))。

口の渇きを少しでも軽減するために、加湿器。(水の入れ方がわからなくて看護師さんが苦戦していたw)。

コップで飲めないので、ペットボトルに取り付けるキャップ型のストロー。

少し手が動くようになった頃に届いた、マジックハンド。(これは自宅に帰ってからも重宝した)

少しでも自分で用事を済ませられるように、ベッドに取り付ける小物入れ。

そして、沢山の医療従事者をビックリさせていたのは、扇風機。

水分もそうだが、傷を治そうとする為なのか、とにかく体が熱かった。熱があるわけでも無いのに、部屋が暑いわけでも無いのに、とにかく体が熱くて仕方がなかった。

なので、扇風機を届けてもらった。

その頃、外は連日雪がちらつく真冬だった。扇風機を届けてくれた兄はさぞや恥ずかしかっただろう、と思う。

そんな季節だったから、初めて病室に来る医療従事者の人たちは毎回扇風機にビックリしていた。

でもこの扇風機の存在が、私をどれだけ助けてくれたか…。色々辛い中で、体が熱いのも本当に辛かった。上下左右に首降りができるタイプで、強弱もリモコンで操作できたので、扇風機のリモコンは常に握りしめていた。

小さなリモコンなので、すぐにどこかに行ってしまうので、扇風機のリモコンを看護師さんに探してもらうのも日常になっていた。それくらい、扇風機が私の必須アイテムだった。

私は、冬→春→夏と3シーズンを通して入院していたのだが、その後大部屋に行っても、リハビリ病院に転院しても…、季節が扇風機に追い付いて行ったのでw、家に帰るまでずっとこの扇風機を使っていた。

とは言え、病室に扇風機を持ち込む人はレアなそうで、その後何度も「扇風機がある…」と言われ、話のネタになったのでした…w