急性期病院のご飯は、「ザ・病院食」だった。
私は急性期病院に5ヶ月位入院していたため、献立のサイクルがすっかり分かってしまい、変わり映えしない食事に飽き飽きしていた。
それに加え、痛みと睡眠不足ですっかり食欲が落ちていた為、食事を楽しんだ記憶は全く無かった。
リハビリ病院の食事は、美味しかった。
リハビリ病院には3ヶ月入院していたが、メニューが被ることはほとんど無くて、毎回楽しみだった。
食器もカラフルなお皿を使っていて、見た目も良かった。デザートもひと手間かけてあるものが出た。
全体的に病院食には違いない見た目だったが、急性期の時よりは圧倒的に食欲が出るメニューだった。
私はもともと好き嫌いはほとんど無いので、リハビリ病院では毎回残さず食べることができた。
お陰で、急性期の時にすっかり落ちていた体重はみるみる増え、運動量が少ないことで、むしろ太っていったw。
入院していると、楽しみの大半は食事になる。
テレビや動画を観て過ごしていても、やはり食事が1番の楽しみで、唯一無二の娯楽だった。
それに、朝、昼、夕の食事をすることで、時間の経過を感じることができる。
1日3食を食べれば、明日が来る。
退院までのカウントが1つ進む。
1食食べるごとに、時間が経過していることを体感する。
食事を重ねていくことで、退院が近づいてくる。
「食」には沢山の意味があると思う。人それぞれの意味があると思う。
この頃の、私にとっての「食」は、
「退院までのカウント」だった。