色々なリハビリをした。
寝たきりが長かったことで、両下肢どころか上肢も動きが悪くなっていた。
両下肢だけでなく、他方向のリハビリをやった。
そんなリハビリの中でも、やっておいて良かったと思うリハビリがある。
それは、前屈運動。
へ?前屈運動?それが重要?
身体がもともと固くて、前屈がほとんどできない人はいると思う。
かと言って、それが生活に不自由をもたらすことも、ほとんど無いと思う。
私自身も、もともと身体が固くて学校の身体能力テストの前屈運動は、いつもマイナスだった笑。もちろん、そのことが不便だったことは無い。
そんな前屈運動を毎日やらされたw。開脚しての前屈も毎日やらされた。
もともと身体の固い私は、イテテテ…と言いながら、指示されるがままやっていた。
前屈運動を始めた頃は、膝をやっと触れるくらいだった。
人間の身体とはすごいもので、退院する頃には足の裏を触れるくらいになった。もはや、健常の時より身体が柔らかくなっていた。
それでも、前屈ができるようになることが何の役に立つかがわからなかった。
今…、役に立っています。
物を落とした時、低いところの物を取る時、床に手が届きます。
私は後遺症でしゃがむことができません。
でも、落とした物を膝を曲げることなく拾えます。
そういうことか…。
単にリハビリの一貫としてやっているだけだと思っていた前屈運動は、ここで役に立つのか…。
自宅に戻ってはじめて物を拾った時…、やっと気がついた。
足が不自由になったことを、カバーできるのは、自分の身体だった。
自分で自分をカバーするんだ。
残っている身体のパーツで、自分のダメなパーツをカバーすれば良いんだ。
そういうことなんだ。