Kさん

闘病記

急性期病院からの入院友達がいます。

彼女の名前はKさん。

彼女は、私が救急車で急性期病院に運ばれた約3週間後に、労災事故で救急搬送されて来た。

もちろん、そんな頃はお互いにお互いのことを知ることは無かった。

私が一般病棟に移って、さらに車椅子で病棟内を散歩できるようになった頃、同じく車椅子でデイルームにいた彼女と知り合った。

彼女の方が声を掛けてきてくれた。…と言うより、

彼女は気さくな人だったので、いろんな入院患者さんとすでに沢山話をしていて、ごく自然に私を仲間に入れてくれた。

彼女は片足に重傷を負っていて、出会った時は創外固定具を付けていた。私もICUの時に付けていたので、どういう意味の道具かすぐにわかった。

ちなみに、私も彼女も創外固定具のことを「ガチャガチャ」と言っている。私たちはそれで通じるのだ笑。だって、ガチャガチャして邪魔くさい固定具だったから…笑。

そして、彼女に出会った頃の私は、感染症治療の大きな機械を付けていた。

お互いの重傷度と、歳が近かったこともありすぐに打ち解けて、会うたびに何時間も喋るようになった。笑

何より主治医がS先生で同じだったので、先生が外来予約を同じ時間帯にしてくれたりなど、退院後の私たちの交流の手助けをしてくれた。

「入院患者あるある」で、会うとまずは自分の症状と経過の話から始まる。笑

彼女とは、歩行が不自由になったことなど…沢山の思いを共有することができる。

これは、どんなに周りの人に話しても…、残念ながら当事者でないとわからない。

残った後遺症、不自由、痛み。

心の痛み。悔しさ…。

周りの友人にどんなに話しても、聞かれても…、伝わるのは…当事者だけ。

「話したってわかってもらえない」って言ってるんじゃない。

事故時の恐怖や絶望、その後の闘い、悔しさ、嘆き…。

理解できること、と、共有できることは少し違う。

S先生の最後の受診の時には、3人で最初で最後の写真を撮った。

そして同時に、Kさんの定期受診も終了となった。

S先生、Kさん。事故という災難ではあったけど、出会えた大切な人たち。

ありがとう。

出会いに感謝しています。