ICU

闘病記

ICUには2週間くらい居ましたが、その間は地獄の日々でした。

地獄と言う言葉を安易に使ってしまうことはありますが、真の地獄とはこれだったと私は思っています。とにかく、痛みとの闘いでした。両足切断の可能性もあった怪我です。足の損傷は相当なものです。痛みは尋常ではありませんでした。

私も母親なので2回ほど出産を経験していますが、出産の痛みとは比べ物にならない。痛いという表現も当てはまっていない。呼吸ができない。痛みが休まる瞬間が無い。

死んでいた方が楽だった。

何度、そう思ったことか。のたうち回るほどの痛み。でも実際は動けないので、のたうち回ることもできない。人は痛い時は、その患部を押さえたりするけれど、もちろんそんなこともできない。

医療用の麻薬を使っていると、おぼろげな意識の中で説明された気がする。でも、その薬が効いている感じが全くしない。

食事は定例で目の前に出される。食べられるわけがない。

夜になって消灯になる。眠れるわけがない。

夜中がとくに辛かった。静まり返った闇の中、痛みが余計に強調される。

薬の副作用なのか、目の機能も損傷していたのか、事故後何日間かは、視界が二重に見えていた。もう何もかもめちゃくちゃだった。

1分1秒が長い。時間が経てば痛みから逃れられる、きっと時間が経てば楽になる、そう思うしかなかった。1分1秒が待ち遠しくて、長かった。

食事は点滴があるから、それで良いとして…。ICU にいる間、私はいつ眠っていたのだろう。ICU にいる間にも、何度か手術をしていたので、きっと麻酔で眠っている間が私の唯一の睡眠時間だったように思う。