また少し時間を進めて…。
長期入院中、私の周りの家族が一番心配したのが、私の住居がエレベーターの無い3階だということ。
「良くて車椅子。仮に歩けるようになっても階段は無理だ」と、親兄姉含めた家族たちはみんな心配していた。もちろん、主治医も「階段は無理だよ」と常々言っていた。
私は引っ越しは嫌だった。この時の住まいは、引っ越して1年余りしかたっていない場所だったから…。その前に住んでいた所が、老朽化で建て直すからと立ち退きを言われて、やっとの思いで探したアパートだった。
でも、確かに…この足で…階段は無理だ。いくらリハビリしても、日常で階段を使うのは、どう考えても無理だ…。事故前の私だって、3階の階段はキツかった…。
入院している間に、家族みんなが色々物件探しをしてくれた。物件のURL をいくつも送ってくれていた。
引っ越しをした方が良い。それはわかる。心理的にも…きっとその方が良い。それもわかる。でも、退院していきなり知らない環境で過ごすのは…嫌だ…。
きっかけは突然来た。
ふと家族から送られてきた物件のURL 。その物件は、以前私が気に入って内覧したことがある物件だった。
知ってる!ここなら知ってる!周りの環境も知ってる!住みたいと思ってたけど、当時は家賃が高くて諦めた。今は家賃が少し下がってる!
これだ!
そしてその日のうちに契約して貰った。
退院して2日後に引っ越した。
引っ越しは、大変だった。私は引っ越し準備をやる気満々で退院してきたけど、やっぱり何もできなかった。座っているのがやっとで、全く動けなかった。引っ越し会社はもちろん、兄姉含めた家族総出で大移動をやってくれた。
今は、引っ越して本当に良かったと思っている。
以前よりさらに高い階なので、眺めは良い。夏には花火が見えることもある。エレベーターはもちろんあって、玄関の目の前がエレベーターなので、鍵を閉めながらエレベーターのボタンを押せる…笑
以前のアパートより、全体的に狭い。部屋の中に変な段差もある。…でも!
スーパーもコンビニも、ドラッグストアも…、こんな足の私でも歩いて行ける距離にある。
不自由な身体だけど、この環境なら外に出られる。
障碍があっても、障碍に合った環境であれば、引っ越しはマイナスなことばかりでは無い。
外に出たいと願えば、引き寄せる何かは起こるのかもしれない…。