先日は久々にひどい雨だった。
そんな日に限って急性期病院に通院の日だった。
出掛ける寸前まで行くのを迷ったけれど、こんな天気の日は予約のキャンセルが出ていつもより早く呼ばれるんじゃないかと思った。
急性期病院の受診は予約時間通りに呼ばれることは無い。
これは「大きな病院あるある」で、受診の時は1日仕事だと思って行く。これは日本人なら共通の認識。
この日は家の中に居ても雨の音が聞こえるほど降っていた。だからこそ、キャンセルが増えて早く呼ばれるかもしれない…と思い、行くことにした。
しかし、やはりここからが問題だった。
以前の記事にも書いた通り、私は傘を差すことができない為、雨の日はポンチョを使っている。
ただ、この日の雨の振り方は尋常では無かった。
足は間違いなく濡れる。かと言って、私はどんな靴でも履いて歩けるわけでは無いので、いつもの靴に撥水スプレーをした。
ズボンも間違いなく濡れるだろうから、肌に引っ付いて歩きづらくならないようにダボダボしたパンツにした。
恥ずかしいなんて言ってられない、ポンチョのフードもしっかり被って、首もとをヒモで縛ってw…玄関を出た。
あまり濡れないようにバスの時間ギリギリを目指して歩く。それでも、バス到着時にはポンチョを脱ぎたくないほど濡れた。
さすがに乗車しているお客さんは数名だったが、他の人の迷惑になるといけないので、一旦ポンチョを脱いだ。
多少の雨なら良いが、靴に施した撥水スプレーなど意味が無いようだった。
すでに…なんとなく靴が冷たくなっていた。
無事に病院に着いたが、思ったよりも患者さんは沢山いた。
若干少ないようには感じたけれど、いつもより早く呼ばれることは無いと思えた。
でも病院の中は暖かく、濡れた服が乾くには長丁場の方が都合が良いようにも思えたので、持ってきた本を読んで順番を待った。
さて、診察後の帰りが大変だった。
雨足が’行き’よりも強くなっていた。
病院のエントランスで目の前に待機しているタクシーに乗ろうか…、相当に迷った。
健常の時の私であれば迷わず歩くのだが、障害の足でこの雨の中バスで帰るのはなかなかのハードルだった。
でも…、バスで帰ることにした。
「ひどい雨」のハードルも越えてみよう、と思った。
病院のエントランスを出た途端に、フードを被っているのに髪の毛が濡れてきた。
病院で乾いたはずの靴が、濡れてきた。
少し…、後悔した。
どしゃ降りの中、ポンチョに杖。
自分の姿を思わず笑ってしまった。
どしゃ降りの中。1人で笑った。
私は何を頑張ってるんだ??
こんな身体で、こんな危険な日に、何を頑張っているんだ?
自分の家の玄関にたどり着いた頃には、靴下までグショグショに濡れていた。
まずはとにかく、雨の日の病院を無事に往復できた。
夕方になって雨が止んだので、郵便を出しに出掛けようと外に出たら…
朝からのどしゃ降りの影響で、アパートのエレベーターが点検中になっていた。
エレベーターに不具合が出るほどの雨だった、ということか。
それくらいの雨の中を…私は頑張ってたのね…
エレベーターが動くようになるまでの間、またまた1人で笑った。