闘病記

約8ヶ月の入院を経て、引っ越しを(「大移動」記事参照)経て、いよいよ本来の日常生活に戻った。

でも…、以前の身体では無い。

かかとは2cm浮上したままの状態。なので、リハビリ病院の時に特注で作ってもらった中履きと外履きの靴で歩く。

この靴たちが無いと立っていられないし、歩けない。

筋力も大して上がって無い。プラス、寝たきりが長かったことで身体がすぐに硬直してしまう。

大変なのはトイレとお風呂。

トイレのスリッパに履き替えるということは、つま先立ちに状態になってしまう為、下着の脱ぎ履きができない。

そこで、壁にもたれて脱ぎ履きをする。

これがお腹が痛い時など…急いでいる時は本当に辛い。

夜中にトイレに行きたい時も、身体が硬直しているのですぐに起き上がれない。

やっとの思いでトイレに行っても、脱ぎ履きに手間がかかる。

だから早め早めの行動が必要なのだが、人間眠いときは眠い。

そうこうしているとすっかり目が覚めてしまい、ベッドに戻っても眠れない。

まあ、仕事に行くわけでも無いし、子育てに追われているわけでも無いので、昼寝でもすれば良いことだが…。

トイレに行くのが面倒になり、水分をあまり取らなくなる。

もともと水分はあまり取らない方なので、もともと便秘がちなのに、さらに便秘になる。

人間はどこかに不自由があると、芋づる式に他のどこかが悪くなる。

退院した頃は残暑真っ盛りだったので、家の中にいても汗でびっしょりだった。

私はクーラーを付けるより、シャワーを浴びて扇風機で身体を冷やす方が好き。

でも、シャワーを気軽に浴びることはできなかった。トイレに入ることより、お風呂場に入ることの方が難易度が高い。

つま先立ちしかできない私は、お風呂場が少しでも濡れていると転倒する可能性がある。

シャワーは危険度も難易度も高い。

事故前と同じようにはいかない。

以前と同じようにはできない。

狭いアパートなのに、トイレとお風呂が遠い。

硬直して思うように身体が動かない。

日常に戻ったはずが、日常を送れない。

私の帰りたかった日常はこれ?

どんな感情?

自分でもわからない、理解できない感情が日々渦巻いていた。