4日経って目が覚めた時に、もう1つすごくビックリ…、ショックだったことがある。
それは、その日が次男の誕生日だったこと。
目が覚めた時、看護師さんに「今日は何月何日か解りますか?」と聞かれて、私は当然のように事故当日か翌日の日付を答えた。看護師さんが「いいえ、今日はね、●月●日ですよ」と言ったその日付が、次男の誕生日になっていた。
「ええ!?」
4日経っていたことにもビックリだったけれど、首すら動かない状態で次男の誕生日の日付を聞かされたのが、何よりもショックだった。
息子の誕生日はいつもケーキを買うくらいで、何も特別なことをしてるわけじゃないけれど、息子の誕生日にこんな状態になっている自分が情けなかった。
ICU は携帯電話を持ち込めない、当時コロナ禍で面会も規制されていて連絡手段が無かった。
夕方になって看護師さんが来てくれた時に、「今日、次男の誕生日だったんだ…」と言ったら、「病院の電話から次男さんに電話してみる?いいよ!」と言って、病院の電話の子機を貸してくれた。
「誕生日おめでとう」
声もあまり出なかった。声が出ないから話すことなんてできなかった。それでも何度も繰り返し、それだけを言った。